【朔side】


「マジで?……ああ、分かった気をつけて。じゃあ」


夏休みに入って数日。


突然掛かってきた電話は母さんからで、明日帰って来るとのことだった。


時々連絡はあったが、もうばあちゃんはすっかり回復して問題ないからって。


電話を切ったその時、小春がリビングへ入ってきた。


シャワーを終えたばかりの髪は濡れていて、ドキッとした。


今日は夏祭りで、浴衣を着る前に小春はシャワーを浴びたんだ。


「電話してたの?」


タオルで髪を拭きながら、俺の元へ近寄ってくる。


「ああ。母さん明日帰って来るって」


「ほんとっ?」


すると、小春は満面の笑みで喜びを表した。


なんとなく面白くない。


「……やけに嬉しそうだな」


「だって、久しぶりに香織さんに会えるんだもんっ!」


「ふーん」