「……朝だよ、起きて……」


白い光が部屋に差し込む爽やかな朝。


タオルケットにくるまれて気持ちよさそうに眠っている彼に、そっと声を掛ける。


「……」


もちろん無反応。


……だよね。分かってるよ。


こんな優しい起こし方じゃダメだって。


もー、こうなったらしょうがない。


「遅刻するから起きて!」


恐る恐る手を伸ばして、丸まった体をゆすってみると──


「……うーん……」


体を捻ってこっち側に顔を向けるから、咄嗟に手を離そうとしたけど……一歩遅かった。


「きゃっ……!」


あっという間に腕をとられ、今日も私の体は彼の胸の中へ……。