それから、さらに何日か経って。


朝は、相変わらず朔くんを起こしに行って抱きしめられる日々。


毎日毎日謝られるけど、平気なふりをする私。


きっと、私なんてぬいぐるみを抱きしめているくらいの感覚だろうし。


いちいち意識してるなんて知られたら、きっとバカにされちゃうよね。


それでも……実際は何回経験してもドキドキするのは変わらない。


あの停電の日から、やっぱり朔くんを意識しちゃってどうしようもないの。


暗闇の中で感じた朔くんの温もりが、忘れられない……。


この感情を知らないわけじゃない。


誰かを、"好き"って気持ち──


それでも、一緒に住んでいる男の子に抱く気持ちにしては、ものすごく心臓に悪いことだし、イケナイことだってのも分かってる……。