今日もせわしなく人が動き回る商品企画部。
プレゼンリベンジを間近に控えた私は、半田さんとのあの飲み以来、より一層仕事に力が入った。
指摘された部分の洗い出しと、商品イメージの具体化、想定される質問の準備も説得力が増すように様々な角度から肉付けをしていく。

それと並行して、オンラインショップ限定商品の企画も進めていき、下っ端の私は各メンバーの立案をまとめる役割を率先して担った。

「岡田さん、分析データのまとめは?」

「はい、できてます!」

キーボードを叩きながらつい先ほど完成した資料を先輩に手渡す。
この前私に舌打ちをした彼は、少し驚いたように目を丸くして「あぁ、サンキュ」とそれを受けとった。

その様子をじっと隣で見るのは、復帰したばかりの山本さん。

「岡田さん、私がいない間になにかあった…?」

彼女が復帰したばかりは、最初は正直態度がぎこちなかったと思う。
けれど、たっくんとただの同僚として話している姿を見て、複雑な気持ちになりつつも、私もシャンと襟を正した。

たっくんとはしばらくプライベートな時間を共有していない。
今の私にとって一番大切なのは、もう一度与えてもらった機会に全力で挑むことだ。