海につくと人がちらほらいた。

だけどこの時間帯だからかそのほとんどが恋人に見えた。


わたしたちも、恋人に見えているんだろうか。




「まだ冷たいね」


波打ち際まで行き、指先で寄せては返していく波を触った。



「まだ5月だからね」


わたしの少し後ろに立つミナトを見るとジッと沈み出してる夕日を見ている。



その顔が真剣で、何だか分からないけど息をのんだ。




「さくら、濡れるからもう少し下がろう」

ミナトの言うとおり波が少し強くなってきていた。


ミナトの言葉に頷き、波から離れた。