いつもの如く帰り道は真結ちゃんと一緒だ。


どこで別れるのかと言われれば、残り数メートル先の十字路でばいばいすることになる。



「明日も一時間目からだるいねえ」


と次の日の話をしながら帰るのが日課になっていた。


「明日も学校がんばろうねえ」と手を振って真結ちゃんと別れたところで、後ろから足音が近づいてくるのを感じた。



私の歩幅よりも少し早く、徐々に間合いを詰めるように迫ってくる。


ああ、嫌だなと絶望感に苛まれながら、鞄を横抱きにして早歩きに徹する。



 日が落ちるのも早くなった最近では、五時すぎにして既に薄暗い膜が張ったようになる。


 こつこつと靴音が響いた。


わたしが足を止めるとその足音も止まり。その不審さに冷や汗が額をながれた。唾を飲み、意を決して後ろを振り返る。



「あ、」相手は目を丸くさせ微笑んだ。


「見つかった。驚かそうと思ったのに」


 肩の力がふっと抜ける。


「爽……」