「さーて、依茉ちゃん。この赤のペケがたくさんあるものはなんでしょう」


「うぅ……」


突然ですが、今わたしはなぜか床の上に正座をして、悝世はソファの上にドーンと偉そうに座っております。



もうすぐ気づけば6月の中旬。


あと少しすれば夏休みに入るっていうのに、事件は起きてしまった。


それは期末テスト前に行われたプレテストにて。



「何これ。
依茉の頭の中ってどーなってんの?」


赤ペケがたくさんの答案用紙をペラペラわたしの前に見せつけてくる。



「プレテストでこんだけ赤ばっかりって本番の期末はどーするのかな依茉ちゃん」


「ど、どうにかいたします……きっと」


「その"きっと"ほどあてにならないよね」


毎回きちんと勉強はしてるんだけども、効率が悪いのかうまく覚えられなくて赤点ギリギリ。


でも今回はギリギリどころかアウトライン。