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そして週末。今日はのんびり寝ていようと思っていたのに、朝からうちのインターホンが壊れたかと思うほどに鳴り続けていた。

誰だろう……宅急便?

お母さんかお父さんが応対するだろうとまた目を閉じてみたけれど、そういえばどっちも仕事だって言ってた。


まだ痛む右足を庇いながら1階に下りて、玄関の除き穴を確かめる。

見慣れた顔にホッとしつつ、ガチャリと鍵を開けると……。


「まりりん!俺たちをかくまって!」

晶くんが血相を変えて飛び付いてきた。


「え?え?どうしたの!?」

まるでなにかから逃げているような雰囲気だ。


状況が理解できないまま晶くんは抱きついて離れない。どうしようと困っていると、後ろから昴さんがひょっこり顔を出した。


「茉莉ちゃん、いきなりごめんね」

晶くんだけが突撃訪問してくるだけならまだしも、昴さんまで家に押し掛けてくるなんて普通じゃない。


「な、なにかあったんですか……?」

おそるおそる尋ねると、今度は昴さんの背後から深いため息がもれてきた。

それは困った顔をしている聖だった。

聖までいるなんて、本当にただごとじゃない気がする。