ふわふわ。


優しい感触が髪をなで、そして頬へとすべっていく。


ふわりふわり。


「ふふっ……」


まるで雲の上にいるみたいに心地よくて、思わず笑みがこぼれる。


わたし、この感触知ってる。


安心するようで、でもどこか甘い。



その感触が何なのかを確かめようとギュッと引き寄せて、頬にすりよせれば、唇に温かいものが一瞬ふれた気がした。



「ん……」



だけどそれはほんの一瞬で、すぐに熱は離れていく。


なんだったんだろ、今の……


まるで、キス…されたみたい、な。



あなたは、だれ……?



そう思ってそっと目を開ければ。



「ゆずき」


目の前には、わたしの顔を覗き込む人物。



「……えっ、ええっ!!?」



な、なな、なんでここに!!!?


眠気眼の頭が一気に覚醒していく。



「成宮っ!?」