「 リュウジおかえりー! 」


「 ただいま 」


マンションの入口前
屋上から、あずるの声


郵便物だけ引き抜いて
エレベーターに乗る




灰谷とユカちゃんの事情に
もう口を挟むべきでは無いのかもしれない


何故ならこんな時
オロオロとした様子のユカちゃんから
電話がかかって来るのが常だった


けれど今回、それが無い ―――