閃いたあたしたち3人は一旦学校を出て男子生徒の家に向かっていた。


今は謹慎処分中の大山君の家へ行くのだ。


「大山君が大西さんとキスをしてから随分時間が経っているから、もうシラフに戻ってると思う」


歩きながらあたしは言う。


「そうとも限らないぞ? もしも自分の奴隷を作る目的があるなら、定期的に麻薬を含んだキスをしてるかもしれない。相手が薬物に十分に依存するまでは続けるかも」


柊真のいうことも最もだった。


そうなると大西さんは謹慎中の大山君に何度も会っていることになる。


もしかしたら、もう手遅れかも……。


そんな不安が過ったが、足は止めなかった。


学校から大山君の家まで歩いて10分ほどの距離だ。


大きな橋を渡って右手にそれて5分ほど歩くと、すぐにその家は見えて来た。