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それは、数日前のこと。

「ちょっといい?」

帰り道、西村さんが声をかけてきました。

まぁ私は、

「急いでいるので無理ですね」

と、答えましたね。
だって、その日は毎週楽しみにしている アニメの放送日だったんで。

「早く帰らないと、『真冬の金髪少年』が始まっちゃうんです!
今週は 熱血少年 ブリザードが活躍するんですよ!」

スタコラサッサッサのサ~♪と、帰ろうと思ったのですが、面倒なことに西村さんに腕を掴まれてしまいましてねぇ…。

「(ブリザードなのに熱血って…すごい矛盾…)
すぐ終わる!ほんの1分、い、いや、
30秒!」

いや~、今思えば 西村さんの必死の形相は、なんとも迫力満点、百点満点って感じで。

「仕方ないっスねぇ…。何でしょ?」

「君の事が好きだ。俺と付き合ってくれ」

いやもう、そんときは焦りましたよ。


だってもう、アニメ開始まであと10分しか無かったんですよ!

私、リアルタイムで観たい派です。

「(やっべぇー、アニメ始まっちゃう)
あー、はいはい、わかりました、
そんじゃ!!」