「なんで帰国したらすぐに私に会いにきてくれなかったの?」

涙でグチャグチャな顔は、化粧もとれてボロボロで、その表情も仕草も、小学生の時にしんちゃんに甘えて我が儘を言っていた昔の私。

「ぷはっ」

柚月は吹き出して向かい合わせで座っていたダイニングテーブルの椅子から立ち上がると、ソファーに移動して

「おいで」

と自分の左隣を叩いて隣に座るように促した。

「ぐすっ」

鼻をすすりながら柚月の隣に座ると直ぐに肩に回された手が私の身体を引き寄せた。

あいている柚月の右手は、私の前髪をかきあげて、優しい瞳がすぐ目の前で私を見つめた。