「エーーーーーーーっ」


「び、っくりした」


突然叫んだ私を鳩豆顔で見つめる小崎先生は
落ち着けるように自分の胸をトントンと叩いている


第二保健室?よくよく場所を聞けば
私が永遠に連れ込まれた空き教室じゃないか

関わってはいけない全員の指紋認証が入るドアノブ

廊下側に本来あるはずの窓が無いらしい

そう言われてみれば
真っ暗な教室なんてあるはずない

廊下が明るかったのに
一瞬で暗闇に包まれたのを
変だと思わなかった自分に驚く

食堂からの帰り道
気をつけなきゃ

うんうんと頷く私を訝しげに見る小崎先生を放置のまま

午後からは比較的静かに時間が過ぎた







翌日


「ほら、来い」


食堂から出たところを永遠に捕まり
腕を引かれて強制的に第二保健室へと連れ込まれた


「・・・っ」


昨日とは違って明るい第二保健室は


「なにここ」


高そうな革張りのソファが
ガラステーブルを囲むように配置されていて

小さなパーティーが出来そう

教室の隅には大型冷蔵庫にミニキッチン

パーテーションの向こう側に少し見えるのは簡易ではない大型ベッド


「此処は琴ちゃんの為に作られた第二保健室」


「保健室っぽくない」


「居心地の良さを優先してるらしい」


「へぇ、じゃないっ」


「あ?」


「木村君、四時間目は?」


「あ゛?」


掴まれたままの腕を引かれて
永遠の胸にスッポリと収まる


「木村君だ?」


「だって、此処は学校だし
他の生徒の前で間違えたら困るよね?
だから・・・名前は普段から呼んでる方が良いと思うの」


模範的回答に達成感でいっぱいになっていると


「認めねぇ」


短い言葉で拒否された