あれから・・・
真っ暗な空き教室で悶絶し続けた私は
気がつけば保健室のデスクに戻っていた


・・・ヤバくない?


永遠と会ったことよりも
抜け殻と化した自分が怖い

小崎先生が戻るまでに背筋を伸ばしてなきゃ

揶揄われる自分を想像して頭を振った


ガラガラ


「オイッ」


「ヒッ」


保健室のスライドドアが乱暴に開けられ
大きな声が背中に打つかった


条件反射のように振り返ると
華奢な女の子を腕に抱いた男子生徒が入ってきた

永遠に似てる・・・
でもそれより最強な雰囲気

・・・怖っ


「コイツ診てくれっ」


「ど、どうしました、か」


小走りで近づいて
腕に抱かれた女の子の顔を覗き込むと

頬がピンク色に染められ
口は半開きでハァハァと荒い息を吐いている

・・・熱

「こっちに寝かせて」


「あぁ」


壁際のベッドを指差すと
壊れ物を扱うように従った


その間に体温計と冷えピタを棚から取り出すと
ベッドへと近づいた


「ユウ、大丈夫か、しっかりしろ」


寝かせた女の子の手を持って
優しく声を掛けている男子生徒の姿は絵になる程カッコ良い


「・・・いいかな?」


声を掛けることを躊躇ったけれど
荒い呼吸の女の子を放って置くわけにいかなくて

恐る恐る声を掛けたのに


「あ゛?」


邪魔されたと思ったのか
振り向いた瞬間威嚇された


「・・・っ」


肩を揺らした私を見て


「あ、あぁ、悪りぃ、頼む」


女の子から手を離すと
ベッドの脇から一歩下がってくれた