森谷の家族との対面に破門追放


濃い半日を過ごした土曜日


永遠の宣言通りにお風呂に入って
部屋着に着替えた二人は

食事を部屋に運んで貰い
“ゴロゴロ”しただけで
小学生かよって笑える程早く寝てしまった



・・・・・・
・・・




そして翌朝



「・・・さん、若姐さんっ」


薄ら聞こえる声に気付いて目を開けた


「・・・っ」


イキナリ永遠のドアップが間近で息を飲む

・・・近いっ


さらに・・・


足先まで拘束されて動かせない身体と


スースーと寝息を立てる永遠


コンコン
「若、若姐さん」


ドアの向こうから絶え間なく聞こえる声に


「永遠」


身動ぎしながら声を掛けてみた


・・・・・・無反応


「永遠」


・・・・・・同じか


「永遠」


・・・そして諦めた


身動ぎを繰り返し僅かに生まれた隙間から抜け出して

声の主のところへ行こうと上半身を起こした瞬間


「キャッ」


グラリと身体が反転し背中に柔らかな感触が戻った


「・・・っ」


そんな私を見下ろすのは顔の両サイドに手をつく永遠


「俺の腕を抜け出して他の男の元へ行こうとするなんて
大胆なことをするじゃないか千色」


寝起きとは思えない程の強い視線に
言いたいことは言葉にならず


「え?」


なんとも間抜けな声だけが出た


「・・・んっ」


言い訳もさせてくれそうにない横暴な永遠によって

その唇も塞がれるという事態に


散々翻弄された後で



「煩せぇ」



またも扉を開けるなり吹き荒れたブリザード


「し、つれいしやしたー」


どんどん遠くなる声の主を少し可哀想だと思ったのは内緒