あの日から俺は母さんの事を忘れるようになっている…
「兄さん!おい!」
「ん?あ、ごめん。蒼司どうした?」
「どうした?じゃないよ。最近ボーッとしてるだろ?」
「俺がボーッとしてんのはいつもだろ?」笑って言うと、
「そう言う事じゃ!」
「まぁまぁ…学校遅れるよ?」と時計を指差すと蒼司は驚き祐司と共に出て行った。
「夕紀兄さん。」二人を見送った後、奏悟から声をかけられた。
「奏悟…今日、大学は?」
「今日は午後から…それより、」
「分かってるよ。蒼司だろ?」
「あぁ。兄さんが心配なんだよ。兄さんが死んだ時一番泣いてたのは蒼司だ。病院の安置室で信じない!って叫んでた。」