あの日から、一ヶ月。
「夕紀兄さん。おはよ。」
ソファに座ってると、声をかけられる。
「おはよ。奏悟。」
起きて来たのは、次男の奏悟だった。
「兄さんが死んで一ヶ月したけど…幽霊生活には慣れた?」と訊いてきた。
「ん〜。慣れたけど、外に行くにはお前らに憑かないと出れないみたい。」
「…じゃぁ兄さんは俺ら兄弟に憑いてる事になるんだね。」
「多分。」
奏悟の言うように、俺はこの兄弟に憑いているらしい。
「俺が憑いていて調子悪くない?」
「そんなことはないよ?」
どうやら害は無いようだ。