ある日、祐司が一人で帰って来た。
「あれ?蒼司は?」と訊くと、
「バイト…」と言った。
そういえば最近バイトを始めたって言っていた気がしなくはない。
「兄さん…」と祐司は俺の隣に座った。
「どした?」
「なんでもない…」と言う祐司に懐かしさを感じた。双子の祐司と蒼司は喧嘩をすると二人して謝れないでいた。そんな時、決まって祐司は俺の隣に来てジッとしていた。
「寂しいの?祐司。」俺が言うと、祐司は体をビクッとさせた。
「我慢すんな」と言うと祐司は俺の膝に頭を置いた。実際俺は透けてるからソファに寝転んだも同じだけど…
「夕紀兄。俺、どうしたら良い?」と祐司は言う。
「どうした?」と俺は訊いた。