高校2年生も終わりかけの冬。




俺はいつもの様にバスケの帰り道
友達であり、部活仲間の光司(こうじ)が彼女と帰っているところと遭遇してしまった。






「よ、紫苑」



「よう!部活終わりにデートか?」



「おう、帰宅デート?
お前は未だにぼっちかよ」



「あはは、俺はバスケと勉強が恋人だからなぁ」



「寂しいな」






光司はそう言ってケラケラ笑う。


そう、俺、高野 紫苑(たかの しおん)は恋に関心があまりない。




17年生きてきて、1度だけ付き合ったことがあるが、

『俺の好きって感情がわからない』
『好きすぎて辛い』

と、2年程で別れてしまった。






俺はそれなりに大切だと思っていたつもりだったが、気持ちを態度に出すのはなかなか難しいのを知った。




その別れて以降1年全く恋愛と触れ合うこともない。




たまにありがたくも告白されるが、俺と付き合うのはおすすめ出来ないと断るばかり。





そんな俺を見て、光司や他の友達は心配してくれるが俺は大好きなバスケと

医大に受かると言う目標のための勉強に没頭できればいいとか思ってたりする。






「ねぇ紫苑くん、紫苑くんに紹介したい子が居るんだけどどう?」



「俺に?」






2人を微笑ましく見ていると、光司の彼女である真優(まゆ)ちゃんがそう話しかけてきた。