熱があるのが分かってて、翔哉さんのそばにいて
移しちゃいけないと思って、
ふらふらしながら帰ってきた、寮

すっかり、きれいにされてて、これなら
もうここに住めるかと思えるくらいになっていた。が

「なんで、家具がないの・・・?」

ベッドも、タンスも何もかもなくなってる
クローゼットを見ると、敷布団が入ってて

「良かった・・・」

敷布団を敷いて掛布団もしっかりかけて
「お休み、なさい」

だから、気づかなかったの・・・
翔哉さんも、お兄ちゃんも探してくれているなんて

「いた・・・」

汗だくになった、翔哉さんがここに来てくれたことも

「ん、」

「愛実。無事でよかった」