【7月2日、火曜日】



…ふと目が覚める。


カーテンの隙間から漏れる陽の光。

まだぼやけた視界には樹の姿はないのに、ほのかに香る樹の匂い。


目を擦って起き上がると、あたしはベッドの上にいた。

そう、それは樹のベッド。


…あたし、いつの間にか眠っちゃってたんだ。


部屋を見渡したけど、樹はいない。


そのかわりに、テーブルの上に無造作に置かれた化学のテキストが目に入った。