どうして……春ちゃんが、ここにいるの?

 頭の中が真っ白になって、同時にぞっとした。

 なんで……バレたん、だろう……っ。



「……由姫、厄介なのが来たからちょっと隠れてろ」



 蓮さんは私の頭をぽんっと叩いて、玄関のほうへ歩いていってしまった。

 言われたとおり寝室に隠れ、聞き耳を立てる。

 どうして……どうして、春ちゃんは私の居場所がわかったの?

 どこまで……わかってるんだろう。

 ガチャリと、玄関の扉が開く音がした。



「……なんの用だ?」



 蓮さんの声に、ごくりと喉音が鳴った。



「……昨日の夜はどこに?」



 あれ……春ちゃんの声、優しい……。

 まるで、私の前の……電話の春ちゃん。