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いつものように登校した私は教室に入り、自分の席に着いた。


『黒澤くんって、千葉さんと付き合ってるの~?』


そんな女の子の声が聞きたくなくても聞こえてきた。


見ると、ベタベタと黒澤くんにくっつく女の子。


見たくない……聞きたくない。
でも、聞きたい。


何も聞こえてないフリでカバンから教科書を出して机の中にしまう。


黒澤くん、私のこと本当はどう思ってるのかな?


好きだって、言ってくれるのかな?


なんて、勝手に期待して。


『そんなワケないじゃん。ただのクラスメイトだよ』


勝手にショックを受けた。


『えぇ〜、黒澤くん仲良くしてたんじゃなかったの?』


『えー? そうだっけ……忘れた』


少し考える素振りをしたあと、そう答えたんだ。


『黒澤くんひどーい! 千葉さんかわいそー』


女の子たちがキャッキャと騒ぎ出す。


忘れた……黒澤くんは私とのことなんて忘れた。


私は涙が出てきそうなのを必死に堪えながら教室を飛び出した。