私と黒澤くんは公園を出て、私の家に向かう。
あの公園は私にとっては忘れられない思い出の場所。
なぜなら……。
『俺……羽音のことが、好き』
中学生のとき、黒澤くんが告白してきたあの公園だったから。
黒澤くんに裏切られたと思った私にとってはトラウマの場所で、なるべくこの公園には近づかないようにしてた。
そんな場所に黒澤くんとまた訪れる日がくるなんて、思いもしなかった。
そしてまさか、浪平さんと黒澤くんが幼なじみだったなんて知らなかった。
浪平さんは中学の3年間一緒で、クラスは一緒だったり違ったり……。
私とは正反対のどちらかといえば目立つタイプ。
中学生の頃から浪平さんは一際可愛くて美意識の高い子だった。
高校生になってから初めて出会ったけど、黒髪は明るいミルクティー色になり、巻き髪、バッチリメイク、着崩した制服と中学生の頃よりもまた一層可愛くなっていた。
黒澤くん、こんなに可愛い子が身近にいるのに……こんな地味な私でいいのかな?
なんて、そんなことを考える。