【昴サイド】
――ピピピッ。
やっと、アラームが鳴った。
アラームを止めると同時に飛び起きる。
今日は待ちに待った月曜日。
羽音とようやく会える。
楽しみすぎてアラームが鳴る15分前には目が覚めた。
でもさすがに早く行きすぎても、羽音をあせらせるだけだからアラーム鳴るまではせめて、我慢している。
金曜日に『月曜日までの分、充電』なんて、カッコつけて言ったけど、そんなので足りるはずがない。
俺にとって、羽音に会えない1日がどれほど長いか羽音にはわからないだろうな。
俺と羽音が出会ったのは中1の入学式。
初めて羽音を見たとき、俺は一瞬で虜になった。
羽音以外、どうでもよくなるほどに。
それから俺は羽音に近づきたくて、たくさん話しかけたり、部活のない日には羽音と帰ることにしていた。
冷やかされることも少なくはなかった。
でも、俺はそんなことよりも羽音との時間が大切で……。
『俺……羽音のことが、好き』
当時かなり臆病だった俺はそう伝えるのにどれだけの時間と勇気を費やしたことか。
両思いってわかったときのことは、今でもハッキリと覚えている。