言葉にできない安心感と充足感に莉緒は突然がくっと膝の力が抜けた。
「おいっ」
慌てて和哉が莉緒を抱きしめる手に力を込めて支える。

ゆっくりと会社の床に莉緒と和哉は座り込むような体勢になった。
「どうした?」
和哉が慌てて莉緒の顔を覗き込む。
「なんか・・・力抜けました」

そう言って笑う莉緒。

和哉は心配そうな表情を見せてから笑った。

「お疲れ。頑張ったな。」
「部長も。お疲れ様です。」
「遅くなってごめんな」
和哉が本当に申し訳なさそうな表情で莉緒を見つめる。

莉緒は首を横にぶんぶんと振った。