【怜哉side】


「また夏休み明けにね」



そう言って部屋に入った彼女を見届けて、俺も部屋に入る。




入学式の朝、ナンパに絡まれていたのを助けたのが "宮坂凛愛" との出会いだった。




声をかけた俺の方をハッと振り返った凛愛は、今までに見た事のないような美人だった。


癖のないストレートの黒髪を後ろに束ね、色の白い小さい顔に不釣り合いなほど大きな瞳。


身長はおおよそ女子の平均くらいだろう。



チャラ男が逃げていったあと、お礼を言って行こうとした凛愛の手が震えてるのが目に入って思わず引き止めてしまった。