【凛愛side】



────パシャッ


今日も冷たい水で顔をひきしめる。




今日から高校生になる。





高校生活に期待してるわけではない。


期待なんてむしろないに等しい。




普通は青春だ恋愛だってなるのかもしれないけれど、そんなの上手くいくのなんてほんのひと握り。


そんなものに期待しても無駄だ。


「よし、いってきます」


髪をひとつに結い上げて誰もいない部屋に向かって呟いた。