4時間目が終わると、
大きく伸びをした一ノ瀬くんが
ニッコリと笑う。


「今日、昼練ないなら、一緒に昼飯食お?」


え?

……一緒に?

と、戸惑っていると。


「「はい、喜んで♪
どーぞ、どーぞ!
遠慮なく、ごゆっくりと!」」


朝歌と叶奈ちゃんに
ぐいぐいと背中を押されて
教室を追い出されてしまった。


戸惑いながらも一ノ瀬くんと一緒に
噴水前のベンチへと向かう。


まさか、こんな公共の場所(?)で
一ノ瀬くんと一緒に
お昼ご飯を食べられる日が
来るとは思わなかった。


幸せだな…と思いつつ、
となりに座る一ノ瀬くんを見つめる。


見上げれば、
凛とした横顔を柔らかく崩して
一ノ瀬くんが笑う。


キラキラと輝くような一ノ瀬くんの笑顔に
心臓がどきりと鼓動する。


「天野」


「?」


「学校で一緒に昼飯食えるとか、
嬉しすぎてヤバい」


「うんっ!」


綺麗な瞳に、柔らかな光を浮かべて
一ノ瀬くんがゆっくりと
言葉をつむぐ。


「俺、天野のこと、好きになったかも」
 

「え?」


キョトンと一ノ瀬くんを見上げると、
一ノ瀬くんがくすりと笑う。