その日の放課後、

一ノ瀬くんから預かった
ノートを抱えて体育館にいくと、


バスケ部の応援団の女の子たちが
すでに応援席を陣取っていた。


まだ練習前なのに、
体育館は熱気に溢れている。


応援席の隅に座り、
ノートを開くと、
甲高い悲鳴とキラくんコールが響いた。


ユニフォームに着替えた一ノ瀬くんが、

少し緊張した様子で
コートの中央へと向かっていく。


一ノ瀬くんの勝気な瞳の強さと
周りを圧倒する華やかなオーラは

離れていたところにいても、
伝わってくる。


緊張感を漂わせながらも、
メンバーと小さく笑い合ってある
一ノ瀬くんの凛とした姿に

ドキリと心臓が飛び跳ねる。


ホイッスルの音が響くと、
すぐに練習が始まった。


練習が始まると、
それまで賑やかだった体育館が静まり返る。