ケータイ小説 野いちご

弱くて強い、お姫様。

強すぎるお姫様


つばきside


寝相が悪いのにも関わらず、今の眠りは全く体が動いている気はしなくて違和感を覚える。


その違和感がやがて不快感となって、閉じていた瞼を開いた。


強く突きつける風が、私の髪を揺らす。


確か眠ったのは柿本先生の車の中。


んで、そこでこんな強風は吹いてるはずないよなぁ。


周りをキョロキョロと見回してみる。


なんだか強そうな男の人が数人いた。一人はメガホンみたいなものを持っていて、なにやら下を面白そうに見ている。


「あれ、つばきちゃんおはよう」


私が見ていることに気がついたのか、その男は振り返って言った。


当たり前のように私の名前を呼びながら近づいてくる。


気味悪さを覚えながら、身を引こうとした。


思うように動けなくて自分の足を見た。


椅子の足に縛り付けてあって、同じように手も後ろで縛られている。


眠っている間にこうなってるってことは柿本先生が私に何かをした?


「つーばーきーちゃん」


嫌味なことに整っている顔を近づけてくる男。


知らぬ間に顔を険しくしていたらしく、その男は私の前にしゃがんで、馬鹿みたいな演技をやりだす。

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