「…う、ん…」


私は目が覚めていつの間にか自分のベッドで寝ていたことに驚く。
窓の方を見やると既に陽は昇り、その光の眩しさが寝起きの私の目に突き刺さるようだ。



「皇女様!お目覚めになられたのですね!」



「ラナ…?」

「はい!私でございます」

「私…一体どうなったの?」




エヴァンとジョシュアの2人に婚約者になってほしいと言われて…
お父様に助けられて…
その後の記憶がない。




「皇女様はお風邪を召してお倒れになったのです。その後すぐパーティーは終了致しました」


「そう…それでその後は?」


「その後のことは私には…。…そういえば体調が良くなりましたら皇帝陛下にお会いするようにと…」


「ならすぐ行かなくちゃ。ラナ支度をお願…」



お父様から大事な話があるのは薄々勘づいていた。
寝込んでいたのだから早く行かなければいけないのに体はまだぐったりしていて言うことをきかない。
ベッドから起き上がろうとしても力が入らず、再びベッドへと引き戻されてしまう。




「陛下が仰っていましたよ。体をきちんと治してから来るようにと」


そう言ってラナは乱れた布団を直してくれる。




「そう…じゃあ、明日には治さないとね。お言葉に甘えて今日はゆっくりするわ」


「はい、そうしてください。私もお側にいますので何かありましたら何なりとお申し付けくださいませ」



そう言うラナに私は微笑み返すと、まだ重だるい体をベッドに預け、再び眠りにつくのだった。