ケータイ小説 野いちご

ホットチョコレート2020

 今年は暖冬のせいか、まだ雪らしい雪は降っていません。それでも寒がりなあなたは、手に息を吹きかけて、温めています。

「お待たせ」
「ううん。待っていないよ」

 あなたはいつもそう言うけれど、僕より先に、ずいぶんと先に来て待っていることを知っています。たまには僕が先に来て、待たせないようにしようと思っているのだけれど、十五分先に来ても、あなたはいつも待ってくれているのでした。

「と、いうか。今日はずいぶんと早いねぇ?」

 あなたの問いかけに特に返事はせずに、冷えた手をそっと握る僕でした。

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