☆ ピザ!? ☆



――――

――


「…じょう……お嬢!」


誰かに激しく揺すられて、あたしはうっすら目を開けた。


どんよりと重たい灰色の天井が見えて、あたしは再び目を閉じた。


そうだ……あたし階段から落ちて……



最後に



戒の名前を呼んだ。




てことはここは天国か……隣に戒が居ないってことは、あたしが一足先に天国いっちまったってワケだな。



戒―――



ごめん



ごめんね






それにしても、天国ってもっと明るいイメージあるのに、何だかしみったれた空気だな。


それに…


何だか眠り足りない朝……と言うより、寝れなくてうとうとしたら朝だった、って感じで体も瞼も重い。


これじゃ三途の川も渡れやしない。


もう少し……寝たい……


寝たい……


「お嬢!大丈夫ですかぃ!」


筈なのに。


「誰でぇ!!あたしの眠りを妨げるやつぁ!ぶっ殺されてぇのか!」


と思わず目を開けて怒鳴ると


「……いつものお嬢……ほっ…大丈夫そうですね」


ぼやけた視界の中、聞き覚えのある野太い声が不安げに揺れていて、再びぱっと目を開けると


マサのどアップが!


「ぅをお!!」


クマみてぇなでかい図体の上、人相極悪なマサの真剣な顔に変な叫び声が出ちまった。


何故だ……怒ったときより真剣な方が怖いって…


「マサ?ってか怖ぇえよ、お前」


「すいやせんでした」とマサは謝ったが、ほっと安心している。


「てかここどこ?天国……にしちゃリアルなんだけど」


あたしは頭を動かせてキョロキョロと辺りを目配せ。


どこもかしこも絵具でべったりと塗ったようなねずみ色をしていて、天井(?)に切れかけそうな蛍光灯が、カチカチっと音を立てていた。


「天国?何を言ってらっしゃるんですかい。


まさか転んだ拍子に頭を打ったんじゃ!!」


とマサが途端に青くなってあわあわと口元を押さえている。