暖かな日差しの下、美味しいハーブティーをいただきながら、レオン様とエドウィンさんの楽しいお話を聞いています。
お二人は本当に仲が良いです。

何と!レオン様のシリスさんとエドウィンさんのアルトさんは、夫婦だった様です!
今シリスさんのお腹の中にはアルトさんとの赤ちゃんが居るのだと言う事です。
エドウィンさんはアルトさんを、シリスさんに会わせる為に此方に訪ねて来たそうです。
エドウィンさんは優しい方なのですね。

そろそろ私の事を話さないといけないのは判っていますが…皆様を信頼していても怖いです……


「フレア様のハーブティーとお菓子はとても美味しく幸せな気分になります。

以前フレア様から私は妖精の泉に導かれて、サーフウィカ王国に運ばれて来たのではと言われて、何かしら与えられているとも言われたのですが……

私は産まれた国で見た目の所為で、全ての人から蔑まれ生きてきました…
此処でも人と違うものを持っていると知られると、以前と同じ事が起こるかもと、怖くて隠していましたが……

………………………………私は泉に導かれた時から、動物達の声が聞こえます。
アルトさんとお話しして脚が痛いとか、小鳥達の噂話を聞いたり、猫さんがミミさんにご飯を貰ったとか、小鳥さんの雛を巣に戻してくれてとても感謝しているとか、色々教えてくれます」


「そうなのね~それは楽しいものを頂いたのね。
話して貰えて嬉しいわ。
此処にいる者は、貴女の事を他言する様な人間は居ませんから、安心なさい。

レイファちゃん、貴女はもう一つの事を覚えているかしら?
アルトの毒針の治療をしたのはレイファちゃんなのかしら?」

「それは……私あまり記憶になくて…私がどの様にしてどうなったのか?朧げなのです」


悩んでいる私にエドウィンさんが言葉をかけてくださいました。


「私は魔法は使えませんが、友人に似た様な事をするのが居まして、その者が言うには心が左右する様な事を言っていました。

気持ち、感情で操作するらしいです。
あの時はアルトを助けたいと考えてくれたのでは?」

「まあ、必要ならば判るのではないのか、急がずともレイファが心穏やかに過ごせる事が一番だ」

「あらまあ!レオンが優しいわね?珍しい事」

「母上何を…私はいつも優しいですが」

「そうか?私にはなかなか、厳しいし辛辣だがな」


笑顔と笑い声が溢れる、楽しいお茶の時間になりました。

お茶の時間の終盤に、私は恐ろしい事を思い出してしまいました。
そのまま忘れ去って仕舞いたい事柄ですが、思い出してしまったからには、気になります。


「あの~~レオン様、舞踏会はどうなりましたか?」


恐る恐る聞いてみると。


「良かったよ!舞踏会は3日後だから明日早朝此方を出れば間に合う。
彼方の用意は準備出来てるから、レイファだけが来れば大丈夫だ」

「……………………終わっていなかったのですね……少し時間の感覚が変で終わって居たらと淡い期待を……」


私が少し落ち込んでいたら。


「フレア様!私が侍女としてレイファ様のお供として、付いて行っても宜しいでしょうか」


ミミさんが突然名乗り出てくれました。
嬉しいです。
ミミさんが一緒に側に居てくれたら安心できます。


「そうねー王宮は様々な方々が居ますものね、レオンの相手となりますと、一気に敵が増えますわね。ミミ、王宮の侍女達も曲者が多いから、それとなく上手く牽制なさい」

「はい!心得て居ます」

「レオン、今回の舞踏会私も行くよ。
この国でホーンデットハウスを開催してくれって要望が来てたんだが、遠距離だと思って悩んでいたんだが、国の要人達と話してみる事にしよう。

お前も忙しくてレイファ嬢の側にはずっと居れないだろう、私が居れば安心だろう」

「外交は私との話し合いではないか、別に来なくていいだろ。
エドウィンは舞踏会とか出席した事無いではないか」

「別に毛嫌いしていた訳ではなくて、ただ気が向かなかっただけだ。
今回はアルトを助けてくれたお礼も兼ねて、少しでもレイファ嬢の気持ちが和らげばと思ってだ。
どうだい?レイファ嬢、私も行く方が味方が増えるぞ」

「できるならば、来て貰えると嬉しいですが……」

「レオン!決定だな。王宮の一部屋用意宜しくな。服は用意させるから大丈夫だ」

「仕方ない。私の居ない時はレイファの事宜しくな」

「了解」


なんだか、王宮は未知の世界で怖いですし、人も苦手ですが少しだけですが…ほんの少しだけ楽しみでもあります。