その日から私のちょっと不思議な生活が始まった。


私はおじいさんのいた大きな部屋ではなく、松さんの住む新館御料(にいだてごりょう)に住まわせてもらうことになった。


「結愛さん、まずはその着物だと町に出た時に目立ってしまうので着替えましょう。私の着物を貸します」


新館御料に続く道を2人で帰りながら松さんが言った。


「着替えたら菊と町へ行きましょう!」


町か……今がどんな時代なのか分からないけど、楽しそう!


「はい…!行きたいです!」


どんな所だろう…楽しみだな…!


新館御料につくと松さんが私の手を引いてやってきたのは着物がたくさんたたんで置いてある和室だった。