「っはあー…」


ごろんとベッドに倒れ込む。頭はぼーっとするし、何か体も怠い。

額に手の甲を当てる。が、よく解らない。たぶん熱はない。

だけど、とにかく頭が働かなくて、体も重くて動かない。


………連絡、しなきゃ…

さっきベッドに放り投げたスマホを手探りで掴み、LINEを開く。


【ごめんほのか、体調悪くて、今日キャンセルしてもいい? 今度絶対埋め合わせするから】

送信。スマホを掴んだままの腕を放り出す。


本当は今日、ほのかと出掛ける予定で、10時に駅前に待ち合わせをするはずだった。

が、朝起きた途端、今までにない体の怠さで、朝食を食べることもできずそのままベッドに倒れ込んだ。


こうなった原因は……強いて言えば、昨日の夜だ。


昨日はものすごい土砂降りで、講義が終わって帰る時がおそらくピークだった。

いつもほとんど4人で帰るけど、さすがにこの雨の中、駅まで歩くのは無理だと、早瀬と天音さんは大学前に停車するバスに乗って帰った。

僕はリュックに折り畳み傘を常備しているので傘はあったが、ほのかは持ってきていなかった。

それで、僕が持っていた折り畳み傘に2人で入って、僕はほのかを家まで送って行った。