ディア帝国 孤児院 「パルスィタ孤児院」にて





「カンナ!お前はいつもそうだ!」


パシンッ


部屋に乾いた音が響き渡る これで何回目だろうか


孤児院のみんなの前で左頬を強く叩かれるのは。


私は何も悪いことはしていないのに 孤児院長はいつもこう。


「どうせまたお前が花瓶を割ったんだろう!?」


院長が指をさしているのは地面に落ちて割れてしまった 花瓶


まただ。


私がやったわけでもないのに罪をなすりつけられる


いつもそう これは仕組まれたことで院の窓ガラスが割れたり 花瓶を落としたり 庭を荒らしたり


それを嫌というほどに私は罪をなすりつけられてきた


そう これは孤児院のみんなから 私に対する


“嫌がらせ”。


嫌がらせの理由は大体検討がついている。


それはきっと私の姿が 普通 じゃないから


私はディア帝国の中でも数少ない亜人族(人間に他種の種族の能力が備わった種族)


そしてその中でも遺伝子の 突然変異 により普通の亜人族とは違って 髪の色は白く瞳は紅く


まるで“アルビノ”のような姿だから。


実際には違う、生まれつきなんだけど。