前日


「調子どう?」

「丈一郎か。まあ、掛けて待てよ」

職員室の日永は、高校2年の海棠をそばに座らせた。

「採点?手伝おうか?」

「俺を無職にしようとしているな」

「それだったら俺。もっと他のことをするけど」

「しなくていいから!さ、終わった」

こうして教師と生徒の2人は何気に学校を出てきた。


「して、疾風は?」

「これから拾いに行くさ。さ、乗って」

「怖?運転大丈夫なのかよ」

「本当、失礼だよ。それとも走る?」

日永と丈一郎は親同士が親しい関係だったので、年齢が6歳離れていたが兄弟のように親しい関係だった。

こんな2人は日永の運転で街をドライブしていた。


「あ、あれじゃね?ポストの前で手を振っているの」

「必死だな」