それから数週間後。

 幸喜は忍との生活に慣れてきて、家事も手伝うようになってきた。

 ご飯だけじゃなく、掃除や洗濯も手伝ってくれる。

 愛のオムツを換えてくれたり、ミルクを作ってくれたりもしてくれる。



 愛は4ヶ月目に入るようで、起きている時間も増えてきた。

 まだミルクしか飲めない愛だが、ご飯を見ると欲しそうに手を伸ばしてくるときもある。


 だんだんと見える物もハッキリしてきて自物も、ハッキリ見分けがつくようになてきているようだ。




 あれから忍はある事を調べてもらっていた。

 それは…




 昼下がり。

 今日は家でのんびりしている忍。

 会長になった忍は毎日の出勤はなく、会議のあるときやどうしても仕事が追い付かない時に出勤しているだけで、後はのんびり過ごしている。

 現在、副社長がいない事から社長である夏樹の仕事量が増えていて大変である。

 だが、夏樹は幸喜が大きくなるまで副社長の席は開けておきたいと言っている。


 愛がお昼寝をして、忍はのんびりと珈琲を飲みながらリビングで寛いでいる。

 そんな中一通の封筒がテーブルの上に置いてある。


 ちょっと大きめの封筒。

 その中には…


 忍は封筒を手にして、中の書類を取り出した。



 忍が前に電話でお願いしていた事。

 それは、愛との親子鑑定だった。

 ただの親子鑑定ではなくDNA鑑定を依頼していた。

 その結果が届いたのだ。


 結果は…
 
 99%忍と親子と証明されている。

 

 結果を見た忍は、満面の笑みを浮かべた。


 愛の血液型はAB型。

 母親はまだ不明だが。


 忍は愛の母親はフェアディーだと確信している。


 あの夜…

 結ばれた時に授かった子供だろう…。


 だから会社の待合室に置いて行ったのだと、納得していた。