それほど都会でもなく田舎でもない金奈市。

 
 季節は夏。

 月の綺麗な夜の駅前に、とっても可愛い女性が立っていた。


 歩道橋の上で電車の行き交う動きを見ている女性は、まだ少女の幼さを残している。

 丸顔で目がぱっちりしていて、綺麗なブロンド髪が腰まで届く長さでサラサラととても綺麗。

 白い清楚なワンピースは、丈が踝まで長く、靴を履いていない。

 透き通る綺麗な白い肌は息を呑むくらいだ。

 夜空に輝く月を見て、女性はそっと微笑んだ。


「こんばんは」


 ふと、後ろから声がして女性は振り向いた。


 振り向いたそこには、綺麗な男性が立っていた。

 ちょっとクールな目をした、サラサラの髪の綺麗系なイケメンの紳士。

 スラッと背が高く、凛々しいスーツ姿に見とれてしまうくらいだ。

 もう60代を過ぎたくらいだろうか?

 

「すみません、突然声をかけてしまって。私は、宗田忍と申します」

 名刺を取り出して女性に渡すと、忍はそっと微笑んだ。


 名刺を受け取り、女性はじっと見つめている。


「お前教えてもらえますか? 」

「…フェアディーと申します…」


 答える声がとても綺麗でポーっとなるくらいのフェアデー。