瑠璃(るり)、結婚しよう」

大好きな彼、奏斗(かなと)についにプロポーズされた。

ここは、馴染みのリストランテ。デザートを終えたところで、奏斗が婚約指輪を差し出して緊張した声で言った。

「・・・・」

言葉にならず、涙がはらはらとあたしの頬を流れた。

「えっ、ダメなの?」

焦る奏斗。

あたしは、なんとか体勢を整えて言う。

「そんなはずないじゃない。こんなあたしでよかったら、よろしくお願いします」