「はぁ・・・」
静かな店内に凌駕のため息が響く。

海は作業台で作業をしながらそんな凌駕の方に視線を向けた。

椿が有休を使いたいと申し出て、休みに入って3日。
休みの期間は1週間の予定だ。

「このまま戻らなかったらどうします?」
凌駕は今から椿が戻るか心配らしい。

海も椿を心配する気持ちは一緒だった。

凌駕と海がベランダで話をした翌日、椿は自分の部屋に戻り、店にも大きなマスクでのこっているあざを隠して復帰した。
ぎこちなく話をするのは変わらなくても、一生懸命接客業務にも復帰した椿。
その一生懸命な姿は、海と凌駕には痛々しくも感じた。

日に日に痩せていく椿を心配して凌駕も海も昼食と夕食は3人で食べるようにしたり、凌駕は空き時間に椿にお菓子やジュースを口にさせた。