「花が好きだから面接に伺いました。」
「なんの花が好きですか?」
「バラです」
「理由は?」
「きれいだから?」
「花言葉は?」
「・・・わかりません。でも好きです。」
化粧の濃い女が瞳を輝かせながらある男の方を見て話す。
「私、花が好きなんです!」
「好きだけでは花屋は務まりません。不採用です。」
男はきっぱりと告げるとその女性が持ってきた履歴書を机に放りなげた。

「店長、そんな態度ダメですよ?」
履歴書を放り投げ立ち上がる男の隣に座っていたもう一人の男が慌てて立ち上がる。
「ごめんね。店長、顔はいいけど性格悪くてさ。」

履歴書を放り投げた男の名前は松崎海(28)この店の店長。
ぶっきらぼうな性格で、性格は花など似合わないのに、顔だけはかなりいい。
花屋の人気があるのも、店長のルックスが宣伝効果抜群で女性客が集まるからだ。