「え、姫莉ちゃん、お休みですか?」
「うん、昨日から調子悪かったみたいで、急遽シフト変更したよ?」



…そんなこと、一言も言ってなかったのに。


いつもみたいに連絡取り合って、バイトは俺はオフだったけど、姫莉ちゃんはちゃんと行ってくるって、出て行ったし、電話は断られたけど、忙しいから仕方ないかなって……。


『明日は俺もバイトだよ〜、楽しみだね』っておくったら、『そうだね』って、いつも通り淡白な文返ってきてさ。


うぅん、調子悪いなら言って欲しかったな…。
帰り、おうち寄ったら迷惑かな……?





───なんて思いつつも、スーパー寄りの、姫莉ちゃんのお家。というかマンション。


インターホンを鳴らすと、バタバタと2人くらいの足音が聞こえて。


扉が開いてすぐに見えたのはちっちゃい女の子。


「はーいっ」
「待て待て待て待て、茉莉は出なくていいから!」


後ろからついてくる、あのシスコン弟。


「あっ!澄珈のおにーちゃん!」