ケータイ小説 野いちご

初恋エモ

#2 さよならストライク
3






「……さん! 店員さん!」

「あ、すみません! お待たせしました」


途切れたレジの列にかまけて、ボーッとしていた私。

気難しそうなおばあさんに声をかけられ、慌てて手を動かした。


「あんた、高校生?」

「あ……はい」

「遊びの金稼ぎならやめちまいな。あー気分悪い」

「すみません」


清算が終わり、ありがとうございました、と小声で伝えてから。

頭を下げ、目を閉じた。


しばらくそのままの姿勢でいると、


「間宮さん、シフト多いし疲れてる? 早めに上がっていいよ」


店長の声が後ろから聞こえた。


「いえ、大丈夫です」


慌てて頭を上げ、軽く笑顔を作った。

目が潤んでいるのがバレなきゃいいけれど。


「今日雨でお客さん少ないし、休める時は休んだ方がいいから」

「や……」

「実は間宮さんのお母さんからクレーム入ってさ。娘を遅くまで働かせすぎだ、とか、その割には給料低いとか、なんとか……。ちょっとそういうの困るんだよね」


確かに、バイト後にクノさんの家でベースの練習をするため、帰るのが遅くなる。

バイトだと嘘をついて、彼の家へ練習しに行くこともある。


でも。

母は私にお金を稼いでほしいと思っているくせに、どうしてバイト先にクレームを入れるの?

確かに最近、家の手伝いはおそろかになっているけれど。


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