ケータイ小説 野いちご

初恋エモ

#2 さよならストライク
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「はぁ、来月車検かぁ~」


郵便物を整理している母は、重いため息を吐いた。

真緒は今お風呂に入っているため、食卓に残っているのは私と母だけ。


嫌な予感がした。


「美透、あんたのお年玉貯金、今いくらあるっけ?」


母の命令により、毎年正月にもらったお年玉は自分の口座に入れていた。

バイト代が振り込まれるようになってから、カードは自分で管理している。


サーっと血の気が引いた。


「どれくらいかな。今度お金おろすときに確認しとく」


平常心をよそおってそう伝えた。

それから「宿題やる」と続け、すぐに立ち上がり自分の部屋へと向かった。


自分の部屋といっても、一つの部屋を棚で区切り真緒と半分ずつ使っている場所。

あるのは、布団と机、本棚とハンガーラックくらい。

他のものを置くスペースはない。そもそもあれは絶対に置けない。


お年玉貯金に手を出したことも、絶対に言えない。



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