「どうもありがとうございましたー」


レジ清算が終わったお客さんにお辞儀をしながら、次の買い物カゴを引き寄せる。

顔をあげると……。


「お待たせしましたー。って、えええっ?」


視界に飛び込んできたのは、クノさんと葉山さん!


「今日のバイトこの近くだったから、クノくんに連絡してみた」


作業着姿の葉山さんはニコニコとそう答えた。

その横では制服姿のクノさんが「レジ早くしろよ」とぶつくさ言っている。


はいはい、すぐやりますから!


カゴの中に入っていたのは、から揚げに餃子に……大量のお酒!!


「これ……!」


ビール缶を一つ手に取り、クノさんをにらみつけたものの。


「成人、ここにいるから」


クノさんは葉山さんを指さし、葉山さんも半笑いで自分を指さした。


そっか、そうだった。

クノさんがここに来ると、何らかの不正をするのでは、と身構えてしまう自分がいた。申し訳ない。


「どうもありがとうございましたー」


清算が終わり、営業スマイルで二人を見送ると、クノさんはニヤリと笑い、こう私に伝えた。


「お前も終わったら来いよ。いい知らせあるから」


――え。何だろう。