金曜日の放課後。


「真弥、明日は午前中だけバイトなんだろ?」


俺は昇降口で真弥を引き留めてそう聞いた。


「そうだよ。貴央は?」


「俺は1日暇。なぁ、午後から遊びに行かないか?」


「もちろん、いいよ?」


真弥はニッコリと花のような笑顔を浮かべて頷いた。


その笑顔を見た瞬間、心臓がドキリと跳ねる。


真弥と付き合い始めて半年になるけれど、付き合い始めた頃のトキメキは今でも健在だった。


「じゃあ、バイトが終る前に近くに行くから」


「待たせちゃうのは悪いから、終わったら連絡するよ?」


「いや、そういうんじゃないんだ」


「え?」


真弥は小首を傾げて俺を見て来る。